「時々さあ」

「なあに」

「俺一人生き残ったら・・・とか思うときあるー」

「ふーん」

「乗っかれよ、話に!」

「つまんなさそーだから、ヤダ」


そう言っては煙草に火をつけた。の方は何か喋れっつったのお前だろ、
とそんなに訴えている。もちろんは聞く耳をもたず遠くのほうをぼー
っとみつめている。吐いた煙が白いだけかと思っているとアンチ煙草の
の口からも白い煙が出ていてもう冬なのか・・・とは改めて冬の訪れを
感じた。



「つか、もうクリスマスか。はえーなー」


がショッピングセンターのイルミネーションを見てポツリ、と言った。
クリスマスと言えば子供の頃は何もしていないのにプレゼントが貰える
素晴らしい日だと何週間も心躍らせていたのに、気が付けば枕もとにプ
レゼントはなくなり、祝うこともなくなった。



「子供とか出来たら今度俺がサンタの番だし」

「そーだね」

「てかお前は彼氏と祝うんじゃねえの」

「は」

「はって・・・祝わねえのかよ!」

「彼氏とかいないし」

「嘘つけー!この前男と二人で歩いてんの見たぞ」


は小学生のようにヒューヒューと冷やかしたがは小学生の対応では
無く、大人の対応で冷静に返した。



「や、それ彼氏じゃないし。っていうか今だって彼氏でもないと二人で歩いてるし」


あ、そうか。とは妙に納得し、内心さっきの小学生のような行動を恥
かしく思った。そしてふと昔を思い出した。


「なあ」

「なあに」

「昔、小学生んときも二人でこうやってここ歩いたよな」

「ああ、うん」


二人の性格は対照的で、幼馴染でない限り友達にはならない二人。小学
生の頃も今と変わりの無いこんな感じだった。変わったのは二人が歳を
とったことと、が煙草を吸っていることぐらいだ、とは何故か誇ら
しげに、嬉しそうに言った。




「ねえ」

「なした?」

「・・・これからも二人でここ歩きたい、とか思ってんの私だけ?」

「そうでもないかも」

「そう」




「なあに」

「好き」

「私も」



変わらないこの街、でももしかすると変わっていく街。二人の気持ちは
それでもきっと変わらずに続いて行くだろう。照れくさそうに繋いだ手
と手がそう言ってるように見えた、寒い冬の朝。









          on a cold winter morning

















fin... on a cold winter morning BGM/スノースマイル 
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