最近は朝めっきり寒くなったなぁ、と思って窓を開けた。
窓からベランダへ出るとさらに寒くて上着のチャックを上まで閉めた。
僕の日課はこうやって煙草を吸いながら、花に水をやって、アパートから出て行く大切な人を見送ること。
こつ、こつ、こつと音がし始める。今日は少し寝坊かな?


「おはよ」

「あぁ、おはよう!」

「寝坊?」

につられて寝ちゃったよ、もう!」

「俺の所為じゃないもーん」

「あぁー時間が無い!いってきます」

「いってらー」


大切な人と言うのは同棲している彼女。しっかりしているようで、でもどこか少し抜けていて、
でも、でも憎めない。・・・言葉ではあんまり上手くいえないけど、とても可愛い人。・・・うん、それは確実。
出勤時間は僕より早い。僕は此処でと会話をするのが好きだ。
その為に実はに朝起こされても狸寝入りをしている。おはようの挨拶を此処で交わしたいから。
でも今日一言喋ってしまった、不覚。気付いてないと思うけど、寝言だと思ったはずだけど。
そのことはは知らない(多分)、僕と管理人さんだけの秘密(この前待ってたら喋りかけられて喋ってしまった)。
































「起きてー」

「んー・・・」

はまだ起きていない、起こしたって無駄のよう。きっと、狸寝入りなんだろうなぁ・・・
布団を剥がしてみたものの、小さく唸って寝返りを打つ。これもきっとお芝居。
私はいつも、これ以上のことはしない。でも今日は意地悪してみるか。

「・・もう、行って来るねー。今日夜何がいい?」

「・・・・・・・・・・・ハヤシライス・・・・」

「ラジャー」

まんまと私の問いかけに引っかかる。ドアを閉めるとバタバタと部屋から音がする。
その音をドアごしに確認してから部屋を出るのが私の密かな楽しみ。
今日はハヤシライスの具材買ってこないと。
きっとは私が気付いてないと思っていると思う。
天然、悪く言えばマヌケ(フヌケ?それは酷いか)、そんなか大好き。
また階段を降りればと挨拶を交わす、勿論私は狸寝入りに気がつかないフリをして。
このことはは知らない、私と管理人さんだけの秘密(この前ドアの前に立っている所を見られて喋っちゃった)。





















                                fin...





























秘密**Baby I Love you くるり
二人の秘密を知っているというのが管理人さんの秘密。
 



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