秋の夕方、日が落ちるのも早くなってすごく寒くなる。

もう一枚上着をもってこれば・・・と後悔している、散歩途中。


「もう寒いねー」

「秋だもんな」

「手も冷たくなってきたー」


そう言うとは無言で手を差し出してくれた。

勿論躊躇いも無く、笑顔で握り返した。

前を向いて歩いていると妙に嬉しくなってしまってにやにやしてしまう。

どうしてこんなにが好きなんだろ?

とりあえずさりげなく優しいところが好きなのは確かだけれど。

















いつもと瞬間の好き
















コンビニの前を通ると高校生のカップルが仲睦まじく立っていた。

私はその光景を微笑ましく見ていた、もコンビニの方を見て微笑んでいたから

きっと私と同じでそのカップルを見ているのだろうと思った。

しかしはその光景とは全く関係のない言葉をボソッ、と言った。

「おでん・・・」

「え!?」

「おでん、食べたくない?」

「あ?あー、うん」

「家帰ったら食べよっか!」

コクリ、と頷くと満面の笑みを返して来た。は一体何歳だったっけ?

そんな無邪気なところが好きなんだけれど。

コンビニに入るときさっきのカップルの女の子と目があった。

恥かしそうにしていたので、笑いかけると笑ってくれた。































散歩途中、少しずつ明かりが街に灯り始めてなんだか綺麗だった。

もうすぐマフラーが欲しくなる季節だね、とか

そう言えばアイツどうしてんだろうね、とか

うどんはキツネかてんぷらか、とかそう言う他愛も無い話をしながら歩いた。

どれもどうでもいい話だけれど、どれもどうしようも無く楽しかった。































「ただいまー!」

「って、誰もいないよ」

が返してよっ」

「あ、おかえり」

「ただいま、おかえり」

「え、あぁ・・・ただいま」


何か新婚さん気分だねとかいいながらさっき買ったおでんをは取り出した。

私は台所からビールとお箸を持ってきた。

お箸は2つ分、きちんと色違いである。

本当に新婚さんみたい、と一人で思って笑った。


















「いただきまーす」

「はい、どうぞ」

おでんの具は卵が二つに竹輪が一つ、大根が二つにはんぺんが一つ。

「あ、晩ご飯どうする?これじゃ足りないでしょ」

「あっつ・・・だな、どうしよう。後で買いに行く?」

「や、冷蔵庫にあるもので作るよ。もう疲れたでしょ?」

がさっき帰ってきたときにソファーでぐったりしていた所を見てたし、

今日は久しぶりに一日中デートで疲れてそうだなぁと思ったのもあるけど

私も今日は家でのんびりしたかったし・・というのも本音。


























はニコッと笑ってちゅっと私にキスをした。

「俺、大好き」

急だったから柄にも無く私は照れてしまう。

下を向いていると今度はそっと抱き寄せられた。

どうしてもドキドキが止まらなくて下を向いたままの顔を見れない。


「ど、どうしたの?きゅっ、急だね・・・すごい」

「そう?すっごい自然なタイミングで言えたと思うんだけど」

「そっ・・・そうなの?」

「好きだなぁーっていっつも思うけど、瞬間的に凄いドバって思うときない?今、それだったの」


可愛い可愛いと頭を撫でられて私はまだ下を向いたまま。

ドバって思うこと?私ずっと思ってるけど瞬間的にドバ?わかんないな・・・。

どう言う瞬間だろう?












「だ か ら、頑張ってみましたっ」











チラっとの方を見ると真っ赤で。

ああ、こう言う瞬間か。







今度は私からちゅっとにキスをした。

おでんはもう一度チンしてあとで二人で食べようね。



















                           fin...






















いつもと瞬間の好き//BGM 蝶々結び aiko

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送