「あぁー」
さっきからあたしの横で奇声を上げまくっている男が一人。
「もう!五月蝿いよ、アンタ。」
こっちは忙しいんだよと言ったところで奇声を上げるのを止めない。
「あんなデートでよかったんだろうかぁー」
「知らないよ」
アンタに知って貰いたいのはこっちの気持ちだよ!
好きな人の好きな人とのデート報告なんざ、更々受ける気ないよ。
「俺って面白くない!?」
「うん」
「えぇ!?マジで!?」
「あー、もう嘘々!すっごい、すっごい面白いって」
「嘘臭ぇよぉー、ちゃんうそ臭ぇよぉー」
あたしのベットでゴロッゴロしてる。
襲うにはチャンス。バターンと倒して"坊や、今夜は寝かせないよ?"なんて。
小心者のあたしにはそんな事できません。
っていうか、したら家来なくなるよ、多分。
いつからだっただろう、の男友達になってしまったのは。
体育祭かなぁ、文化祭かなぁ・・・多分どっちか。
まだあの頃は女友達にも達しない、クラスメイトだった筈。
今より、格好つけてたかな。
あたしだって今より、可愛い子ぶってた。
女の子の前で格好つけない男の子はいないし、男の子の前でブリッコしない女の子はいないんだろうなぁー
と今になって思うようになった。
女のほうには好きになって欲しいが為のブリッコがあったけど、
男のほうにはただ女の子の前で格好つけたかっただけの格好つけだったよう。
気が付けば、お互い馴れ合いなのか仲がよくなったのかこのザマ。
「あぁー、やっぱこう言うときは気分の上がる歌がいいね!この曲いい!」
「そうスか。」
何気なくかけたアルバムの一曲目がは気に入ったようだった。
あたしはこの一曲目嫌いなんだけどなぁ。
でもが好きだったら好きになれそう。
今度から一杯聞こう!うん。
・・・無駄な努力?
するよ、しまくってますよ、むしろそれしかしてませんよ。
彼女って言うあたしの狙うポジションにはもう他の女の子がいるんだもん。
何をしたってはその子しか見てない。
が一番大好きな人は好きになれない、性格が悪いと思われてしまうだろうけど
正直、嫌い。
最初は好きな人が幸せになるのが一番のあたしの幸せだと思って引こうかと思ったけど、そんなの綺麗事だった。
今じゃ早く別れろ!なんて思うこともある、ちょっと酷い。
けど仕方ないじゃない、が好きだから。
が好きなあたしを好きになってほしい。
そう願うのが片思いだと思う。
「はぁー」
「ため息ついたら幸せ逃げるよー?」
「えぇ!?ヤバイヤバイ」
とかって空気を吸い直している。
こんなアホな所はきっとあたししか知らないんだろうなと思って、
優越感に浸りながら笑った。
fin...
好きな人の好きな物//BGM「かばん」 aiko
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