「あ、やっぱりあたしから言う」


そう言って私は卒業アルバムを捲った。

最後の方にきっとある筈。




























・・・あった。

















夏、甦る気持ち Girls side story...

















「ぼく、わたしの理想の結婚相手」

「お、懐かしい」




これを書いた時、妙に皆照れて訳の解らないことを書いてた。

例えば、「ゴリラみたいな女の人」とか、「アイドルと結婚したい」とか。

私は確か「お金持ちの男前」って書いたと思う、アホだなー。

でも、は結構真剣に書いていた。






















「俺結構これ真剣に書いたよなー」

「そうそう」

「今考えると笑える」

「髪が長くて、香水のいい匂いのする、スーツを着てる人」

「盛んな中坊の考えるお姉さん像だなぁ」

そうやって笑ってはアルバムに目を落としたまま。

「私・・・頑張った」

「ん?何が?」

はまだアルバムに目を落としたまま。





































「それに近付きたくて・・・頑張ったよ?」

髪が長くて、香水のいい匂いのする、スーツを着てる人になりたくて。

の理想の結婚相手になるために。

馬鹿馬鹿しいかも知れないけど、それしか思いつかなくて。

それを全部クリアできたらきっと、好きになってもらえる、自信が持てると思って。




















「・・・ふーん」

結構肝心な事を言った筈がは全く触れてくれなかった。

それどころかまだアルバムに目を落としたままだった。

何となくそれがショックで、って言うか妙に空ぶってしまったことが恥かしくなって

麦茶を飲んでいると、は言った。

「じゃあ・・・俺は金持ちの男前になればいいのな」

「えっ」

男前はちょっと難しいよなーと笑いながらまだアルバムを見ている。

どう言うことよ。























「どういうこと?」

「見てみ?あれ」

が指差したのは難しそうな本だった。

その本には六法全書がどうのこうのとか書いてあった。

「俺、弁護士になろうと思ってる」

「・・・・ふーん」

「金持ちって言うとあれ、人生ゲーム。覚えてる?」

「ん?」

「弁護士が一番手堅く金持ちになれんの」

「あーそうだったそうだった。歌手は高いけど、結構浮き沈みあったりして」

「そうそう。だからあれ見てが言ってた。
















「「弁護士はお金持ちでカッコイイ」」















覚えていてくれた事が、嬉しかった。

共通の思い出は沢山あるけれど、そんな小さい事を覚えてくれてるなんて。

馬鹿馬鹿しいなぁとか言いながら二人で笑った。

小さかった、全部。

身体も、考え方も、気持ちも。

もっと早く気付けばよかった。

・・・まぁ結果オーライかな?















「好きだよ」

「俺も」




















容姿や、肩書きが変わっていたとしても

心の中までは変わっていなかった。

ずっとこのまま歳をとっても、

心は変わらずを好きでありたい。















                   fin...
夏、甦る気持ち//あーい、夏休み万歳!!ぇ 異常に長い。しかも選択式。 
        終り方も変わってくるので、君の方まだ読んでない方は
        また読んでみるのもありかなぁーなんて。誰  
ガールズサイドっつっても、最初っからガールズサイドだよ!何
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