久々の帰省、実家に帰った途端、

全部ほったらかしで、私は彼の家へ。

お母さんの呆れた声が聞こえたりもしたけれど、笑顔を交わして

私は何時もの自転車置き場へ行き、マイ自転車を探した。

全速力でペダルを扱いで、滴り落ちてくる汗は完全に無視で。

会いたい、会いたい、会いたい。

募る気持ちを頑張って押さえて、

ゆるみそうになる口元、目元、を気にしながら。

















夏、甦る気持ち















思いっきり扱いでの家に着いた途端、息切れの凄さに気付いた。

・・・もう歳かなぁ。とか思ったりして。

さっき自動販売機で買った、ポカリを飲んでタオルで汗を押さえた。

止まることは無いけど、なるべく押さえた。

そんな少しの休憩を挟んで、の家の呼び鈴を押した。


           ピーンポーン


「はーい」

やっぱり、おばちゃんの声。


「あ、です。いますか?」

「あ、はいはい。」


のおばちゃんは世話好きで、優しい。

昔から何も変わらないようだった。

呼び鈴を鳴らすととりあえずじゃなくておばちゃんが出てくる所も、

近所中に聞こえるぐらいの大きな声も。

世間話をしているとと言う名前に反応して出てくる奴が


「おぉ、

「よっ」

「よ、つーかお袋喋りすぎ。」

「いいじゃない、たまには」

「何時もだろ、何時も」



だ。

何時もそう、このパターン。

この後おばちゃんは何時も怒ってるけど、嬉しそうだ。

これも親子のスキンシップかと思ったり。

少し変わったのは、“母ちゃん”が“お袋”になったぐらいかな。

















「騒がしいなぁ、俺ん家」

「いいよ、その方が」

「まぁ入んな」

「おっ、ありがとう」


家に通されると懐かしい匂いがした。

おじちゃんの趣味の為に置いてる木の匂いとか、

おばちゃんの作る料理の匂いとか。

勿論、視覚にも懐かしさが甦った。

急なのに手すりの無い、階段。

何時も階段に積んだままになっているの洗濯物。

きっとまたおばちゃんはこのことでを叱るのだろう。

そんなことを思うと懐かしくって、嬉しくって、笑えた。



「ぷっ」

「・・・何だよ」

「やー、何も変わってないな。と思って」

「お前もだろ」

「まぁ、そうだね」


の部屋の位置も変わっていなかったし、

部屋の雰囲気もほとんど昔のままだった。

・・・流石にアイドルとかのポスターはなくなってるけど。

代わりにCDとか難しそうな本とかが置いてあった。

おばちゃんが麦茶を持ってきてくれて、また世間話をしようとしたのを

が一生懸命止めて二人っきりになった。

妙に気恥ずかしくなった。


























「なんか・・・ねぇ」

「なんか、何?」

「恥かしくない?」

「そーか?」









は惚けたけど、多分心の中では私と同じ事を思ってる(と思う)。

お互い、変わっちゃいないなんて話をしていても何となく、変わったような気もする。

変わって遠くなったと思うわけじゃないけど、

声が落ち着いていたり、髪型が変わっていたり、体型も少しガッチリしたような気がする。

私だってそう。

短大卒業してからすぐ上京したし、もう2年ぐらいあってないし。

昔はTシャツとGパンでウロウロしていたのに、今ではスーツなんか着たりして。

髪も伸びたし、柄じゃないけど香水なんかもつけるようになった。

二人で向かい合ってたってどうしようも無いので懐かしい中学のアルバムを見て喋った。





























「うっわー、懐かし!!」

「ヤバいね、これは」

「これは無しだね!!」

「これとか懐かしくねぇ?」

「うん、うん」

「こんなんお前、婚約者とかに見せれないんじゃねぇの?」

「・・・まぁね」




あー・・・。

そっちか。・・・ってあっちでもないけど。

婚約者なんて、居ないよ。

昔から隠していた気持ちが、甦ってきた。

が好きだと言う気持ち。

今まで上京して、彼氏が一度も居なかったわけじゃないし

今まで付き合った人を本当に好きになったことも少なからずある。

でも、その人達は私の気持ちの中に他の人が居る事をしてみんな離れていった。

その他の人がであることまでは気付かれた事はないけれど。

言わずにずっと友達のままで居ておく方が、きっとこれから無難だと思ってしまった。

今まで流した涙を無駄にして胸に留めておく決意をしたのに、

の顔を見て甦ってしまった。



































「「・・・あのさ」」

「ん、何?から先に言って?」

「や、いいよ」

「いいから」

「あ・・そう?」

「うん」

「実は・・・   boys side story...

「あ、やっぱりあたしから言う。」   girls side story...































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